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古い言葉で「届かない場所」と呼ばれている岬があった。
久しぶりに訪れたその岬には、あるはずの灯台がたっていなかった。

それほど昔のことではない。自分は岬まで灯台を目指して歩いたのだ。
あれはいったいどこだったのか。記憶のなかの場所には、完璧な灯台が高らかに自身の存在を誇っている。

「届かない場所」では、大切にたくさんの記憶がしまわれている。
あふれんばかりの記憶たちは、いろいろが反射しあったり、遠くのものが手前に透けて見えたり、ラベルが貼り間違われたりしている。

いったいあそこへはどうやって行けばいいのだろう?
海の底のように淀んだ記憶のなか、確かな光の一点がこちらを照らしている。